さあ寝よう

宵っ張りの朝寝坊による、徒然なるひとりごとのブログ

富士山頂にて。

はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」

富士山頂へ続く坂道、通称馬の背で見た光景が忘れられません。迷彩服を着た男が匍匐(ほふく)前進をして登っていたのです。 もうずいぶん前に富士山登山に挑みました。山頂へ、あと少し。疲労がたまった体をひきずるようにして坂道をじりじり登っていたときのことです。目の前で誰かが這っていました。よく見ると迷彩服を着た若い男です。いやいや。ここ、富士山ですよ。なにバカなことしてるんですか?信じられない。心の中でつぶやきました。 周りを見渡すと高く掲げられたマイクがありました。テレビ番組の撮影でした。なんだ…。バカな行動に合点がいきました。撮影を見たいのはやまやまですが、私の目標は登頂です。匍匐前進の男を追い越して前進しました。そして山頂にたどり着きました。 日本のてっぺんに立っている。超気持ちいい!某水泳選手の言葉を思い出して、私は達成感をかみしめました。 すると、さきほどの迷彩服の男も登頂してきました。まもなくして彼はもうひとりと漫才を始めました。お笑い芸人だったようです。こうして富士山頂で漫才を見るという珍しい体験をしたのでした。 今はもう芸人の名前も漫才の内容も思い出せません。ですが富士山登山と匍匐前進や漫才がミスマッチすぎて、富士山の風景と共に未だに覚えています。青い空と白い雲が、本当に綺麗でした。加えて馬の背の赤茶色の坂道に迷彩服の緑が映えました。

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