さあ寝よう

宵っ張りの朝寝坊による、徒然なるひとりごとのブログ

ホストと寿司と、敗北と

今週のお題「寿司」

新宿の歌舞伎町にある回転寿司店に行ったときのことです。もうずいぶん前で、ホストなんて見たことがない若かりし頃でした。私が席についたすぐ後、黒い服を着た若い男性三人が店に入ってきました。染めた髪と全身黒ずくめの服装、歌舞伎町という立地から彼らはおそらくホストだろうと推測されました。ホスト達は私の隣に座りました。その席は運の悪いことにベルトコンベアの、私の上流でした。嫌な予感は的中しました。 彼らは美味しそうなお皿を次々と取っていきました。特にまぐろは全員の好物らしく、一皿残らず取っていきました。 まぐろが流れて来ない。(てめーらが根こそぎ取ってくからこっちに皿が回って来ねぇじゃねーか)。心の中で毒づきました。せっかく寿司屋に来たんだから、一皿くらいまぐろを食べたい。私はしびれをきらして板さんに注文しました。お皿がたくさん流れている中でよくあるネタを注文するのは勇気がいりましたが、背に腹は変えられない。勇気を振り絞りました。板さんははいよ、と言って私の近くのベルトに握ったまぐろを置いてくれました。 ところがどっこい。そのまぐろもホストがひょいと取って食べたのです。

(ちょっと!何すんの?それアタシのまぐろなんだけど!)

声を出せませんでした。若かった私は見慣れない水商売の男どもが怖かったのです。

「もう食えねーよ、ぎゃはは」 何が可笑しいのか、ホスト達は笑いながら私のまぐろを食べています。勇気を出して注文したまぐろを奪ったばかりか、意味不明の笑い声を上げるやかましい彼らに私は怒り心頭でした。結局まぐろにありつけず、彼らが取りこぼした皿を数枚食べて店を出ました。

悔しい。ホストに負けた。このとき新宿の寿司は敗北の味に変わったのです。

振り返って考えると、まぐろを食べるためには板さんに頼んで私の真ん前に置いてもらえばよかったのです。私のばか。ばかー。

参加しています↓

にほんブログ村 その他日記ブログ つれづれへ
にほんブログ村